出前・デリバリーに関する調査研究と情報発信を行う『出前総研』は、出前館会員を対象に忙しい時期の食事の準備に関する調査を行いました。
調査結果サマリ
1. 2018年に伸びた出前メニュー
2018年の出前館における出前注文数を商品ごとに調べたところ、昨年と比較して特に出数の伸びが目立ったのは「唐揚げ」で、伸び率は144.2%でした。
● 伸びた要因1
「唐揚げ」の商品出数が伸びたのは、提供する店舗数と1店舗あたりの出数の増加が要因の一つです。
店舗数は前年比で120.9%、1店舗あたりの出数は同119.8%でした
● 伸びた要因2
要因の二つ目は、家庭での揚げ物の調理頻度が下がったことがあると思われます。
20代の既婚者に、10年前と比較して家庭での揚げ物の調理頻度について聞いたところ「唐揚げ」は19.6回から15.9回と約2割も減少していました。
このように家庭での調理が減った一方で、自宅での揚げ物ニーズは高いため、「唐揚げ」の出数が伸びたと考えられます。
2. 2019年の予測
「唐揚げ」に限らず揚げ物の家庭での調理頻度も10年前と比較して総じて下がっている一方、出前館での出数については前年比でそれぞれ
エビフライ 138.6%
とんかつ 127.8%
コロッケ 124.8%
と伸びており、今後も商品出数は伸びることが予測されます。
調査結果詳細
2018年の出前館における出前注文数を商品ごとに調べたところ、昨年と比較して特に出数の伸びが目立ったのは「唐揚げ」で、伸び率は144.2%でした。
「たいしょー」の「からあげ弁当」や「からやま」の「ジューシーもも丸」の商品出数は毎月上位に入っており、「唐揚げ」自体がもともと人気のある出前メニューですが、2017年1月から2018年12月までの「唐揚げ」の商品出数を見ると、2018年は前年同月比で毎月平均140%以上の成長となっていることがわかりました。
商品出数が伸びた要因として、一つは「唐揚げ」を取り扱う店舗数と1店舗あたりの出数の増加があります。取扱店舗数は前年比で120.9%、1店舗あたりの出数は同119.8%となっています。
もう一つの要因としては、家庭での唐揚げの調理頻度が減ったことが考えられます。パナソニック エコソリューションズ社が共働き世帯の増加に伴うキッチン利用の変化を明らかにするために行った調査結果によると、10代の頃の食卓と比較した家庭での揚げ物調理の頻度を年代別に調べたところ、20代では10年前と比較して「唐揚げ」の調理頻度が19.6回から15.9回と約2割も減少していることがわかりました。また、「コロッケ」「エビフライ」「とんかつ」「天ぷら」など調査を行った揚げ物メニュー全ての家庭での調理頻度が10年前と比較して30%以上の大幅減となっていました。
同調査によると、自宅での揚げ物を避けたい理由としては、調理後の掃除に関する項目が上位を占めており、調理の手間よりも、調理後の油汚れや後片付けが煩わしさの要因となっていると考えられます。共働き世帯の増加などライフスタイルの変化に伴い、時間と手間がかかり、後片付けも大変な揚げ物は敬遠される傾向にあるようです。その一方で、普段揚げ物を食べる側、揚げ物を作る側のいずれも「もっと自宅で揚げ物を楽しみたい」と回答した人が半数以上を占めており、自宅での揚げ物のニーズは高いことが見受けられます。
このように、家庭での揚げ物調理が減少している一方、自宅で揚げ物ニーズが高いことで出前の「唐揚げ」の出数が増えたと考えられます。また、出前館で提供している揚げ物の商品出数を調べると、「コロッケ」が前年比124.8%、「とんかつ」が同127.8%、「エビフライ」が同138.6%といずれも伸びており、今後も「唐揚げ」を含めた揚げ物の商品出数は伸びる可能性が高いです。
最後に、2018年に出前館で注文数の多かった揚げ物メニューを紹介します。
※同リリースに記載されている会社名および商品・サービス名は、各社の商標または登録商標です。
※同リリースに記載されている価格はすべて税込価格です。また、価格は地域によって異なる場合があります。
【調査概要および参考データ】
• 2018年に伸びた出前メニュー
2017年1~12月と2018年1~12月の出前館の商品出数を元に独自算出方法で集計
• 「揚げ物」の商品出数推移
調査期間:2017年1月~2018年12月
調査対象:商品名に以下の名称を含むメニューから独自算出方法で集計
「唐揚げ(唐揚/からあげ/から揚)」「ザンギ」「かつ」「フライ」「コロッケ」
「天ぷら(天麩羅/てんぷら)」
• 揚げ物の家庭での調理頻度
パナソニック エコソリューションズ社調べ
食卓の変化実態調査 byラクテク
調査期間:2018年4月21日~23日
出前総研 概要
これまでの『出前館』運営により蓄積してきた経験と知見を活かし、自ら情報を発信していくことにより、日本の出前・デリバリーを含めた中食産業、外食産業を中心とした「食」産業の活性化に貢献していくことを目的に開設された機関です。出前・デリバリーを含む中食に関する領域を総合的に調査・研究し、情報発信しております。また、日本最大級の宅配ポータルサイト『出前館』の運営によって得た様々なデータや、その経験を活かしたメニュー開発、プロモーションや配送等の出前・デリバリーに関連するコンサルティング活動も同時に行っております。
(『出前総研』:https://dri.themedia.jp/)