ラーメン官僚(田中一明)の「麺レポ!」
田中一明[著・写真]/ GourmetBiz編集部[編]
神奈川・京急川崎「麻婆まぜそば麻ぜろう」は、京急川崎駅から徒歩3分程度。
駅の周辺に店舗が集中する傾向がある川崎エリアのラーメン店の中でも、相当、駅から近い部類に入る。
店主は、麻婆がハイレベルと評判の九段の中華料理店等で修業。
修業先で修得した麻婆を麺メニューに応用し、同メニューを開発した。
同店のオープンは2016年10月。
今、振り返ってみれば、この『麻ぜろう』は、昨年、都内を中心に麻婆麺が大ブームとなる前から、麻婆系のメニューを看板メニューに据えていたことになる。
更に遡れば、店主は九段下の中華料理店の御出身で、その店舗も「麻婆麺」で人気を博していたというのだから、その先見の明には脱帽する他ない。
注文させていただいた「麻婆まぜそば」は、麺大盛無料のサービスもさることながら、掛かっている麻婆豆腐の分量が、他店のそれ(麻婆麺)を圧倒するほど多い。
よほど大食いでない限りは、成人男性でも充分満腹になれるだろう。
味の方もまた、一級品!
「麻婆まぜそば」
濃密なうま味と激烈な辛みとが、口の中で激しくせめぎ合い、食べ手を陶酔の境地へと導く。
甘み、辛味、うま味が渾然一体と化したタレに、生卵がこの上なくマッチ。通常、このタイプのまぜそばに生卵がインされることは珍しくないが、こちらの生卵の効果は、間違いなく他店のそれを凌いでいる。
卵に含まれる甘みが、見事に麻婆の辛みを中和するとともに、タンパク質由来のコクがシャープな麻婆の風味に膨らみを与えるのだ。
花山椒の分量もカスタマイズすることが可能。デフォルトを頼んでも、痺れる感覚は存分に堪能できるだろう。
開店当初は思わず、「割り飯を用意する予定はありますか?」とリクエストしてしまったほどライスとの相性も良い。
現在は、レギュラーで「ライス」の提供をしている。締めに麻婆をライスと合わせて完食。
割り飯族には、たまらない逸品。
そのほかに「追い麻婆」や「青菜増し」「叉焼増し」などカスタマイズメニューも充実。
「焼き餃子」「スープ水餃子」「よだれ鶏」といったサイドメニューも提供されており、満足度の高い名店となっている。
「焼き餃子」
田中一明さんのプロフィール
田中一明(通称・ラーメン官僚かずあっきぃ)
1972年生まれ。東大卒の現役官僚でありながら「超・ラーメンフリーク」として年間700杯を超えるラーメンを、エリアを問わず実食。現在までの通算杯数は13,000杯に迫る。
テレビ番組への出演や、雑誌やムック本の監修を行ない、ラーメン情報を精力的に発信している。
「アウトプットは、着実なインプットの土台があってこそ説得力を持つ」という信条を持ち、新店から老舗に至るまで、47都道府県の店舗を探訪。信頼度の高さに定評がある。
※こちらの記事は、田中一明さんの了承を得てfacebook投稿から引用し、再構成したものです。田中さんのfacebookページはこちら