秋は、日本酒のなかでも「ひやおろし」といわれる日本酒が出回ります。
ひやおろしとは、春に搾ったお酒を夏の間に熟成させてから出荷するお酒のことです。
今回はその中でも渡辺酒造店の「蓬莱 自然発酵蔵ひやおろし特別純米」と「蓬莱 ひやおろし無濾過原酒」をご紹介します。
■「ひやおろし」とは?
ひやおろしとは、春先にできあがった日本酒に一度だけ火入れを行い、暑い夏の間を涼しい蔵の中で「ひや」して過ごし、秋口に「卸した」お酒を言います。
ひやおろしは主に9月~11月にかけて出回るお酒で、9月は「夏越し(なごし)酒」、10月は「秋出し一番酒」、11月は「晩秋旨酒」と、月によって名前も味わいも変わっていきます。
【1】別名、「医者いらずの酒」
「蓬莱 自然発酵蔵ひやおろし特別純米」
別名、「医者いらずの酒」と呼ばれています。
「天生水(あもうすい)」と呼ばれる、飛騨最後の秘境といわれる天生峠の湧き水を使用したお酒です。
伝説では、この水を飲んだ修行僧が万病を癒す力を得たのだとか。
フルーツのような甘さを微かに感じる程度の匂いに包まれつつ、一口含みます。
口当たりはさらっとしており、匂いや味などによる抵抗を感じません。
匂いでも感じたフルーツ感が口の中でも広がり、喉を通るときに日本酒ならではのグッとくる感じを味わえます。
冷酒で飲んでいましたが、常温になるにつれ喉ごしがグッと強まっていき、蓬莱ならではの強さを感じることができます。
【2】「これは飲む人を選ぶな」といった一品
「蓬莱 ひやおろし無濾過原酒」
無濾過原酒とは、瓶に詰める際にろ過をするのですが、この工程を省いたものを「無濾過」と呼びます。
その分、まったりとした味わいなため、好き嫌いがはっきりする種類でもあります。
この「蓬莱ひやおろし無濾過原酒」は、ひやおろしのフレッシュさと、無濾過のこっくりとした味わいの両方を楽しむことができます。
嗅いだ瞬間から甘い匂いを漂わせており、「これはさぞかし甘いのだろう」という期待を持たせます。
口に含むと、その甘さが口の中いっぱいにまとわりつき、ガムシロップのような膜を張り巡らされたように感じます。
喉を通る時も一筋縄ではいかせない甘さが尾を引いており、「これは飲む人を選ぶな」といった一品です。
■まとめ
これからの時期、ひやおろしはたくさん出てきますので、ぜひ味わっていただきたいです。
特に蓬莱は、匂いこそあまり強くありませんが、口当たりが特徴的なので、日本酒初心者よりは普段からお酒をたしなんでいる方にお勧めの銘柄です。
ちなみに、今回のお酒のお供はファミリーマートで購入した「おにぎりせんべい」です。
こちら、コンビニ限定サイズらしく、一口サイズとなっています。
程よい醤油味がお酒を引き立たせます。
こういった「お酒のお供」をさがすのも、また楽しみの一つになります。
※情報は掲載時点のものです。
<編:GourmetBiz編集部>