86年の歴史に幕…【横浜・閉店情報】思い出深い店トップ5「最後の味はやっぱりパフェ」「私にとって切り札的なレストランでした」

投稿日:2024/03/21 11:23 更新日:

横浜エリアで閉店したお店を5軒案内しています。

1.不二家横浜センター店
2.メルパルク横浜
3.chef's V
4.川村屋
5.英一番館

横浜生まれ、横浜育ち。横浜で半世紀暮らしている<hamaakari>さんが特別に名残惜しかった「最近閉店したお店」を実際の画像を交えながら、案内します。

※横浜に詳しいライターが実体験をもとに、本音・本心で執筆しています。

■現存する不二家最古の店舗

1.不二家横浜センター店
ペコちゃんでおなじみの不二家。創業は明治時代後期の横浜・元町でした。横浜センター店は2号店として伊勢佐木町に開店しました。

不二家横浜センター店

大正時代に起こった関東大震災により2店舗とも焼失。元町の店舗は再建されませんでしたが、横浜センター店は再建され、2023年まで使用されました。横浜山手の西洋館を手掛けた建築家、アントニン・レーモンドによる貴重な建物は、現存する不二家最古の店舗です。

不二家横浜センター店

明るくおしゃれな店舗で長年営業してきましたが、老朽化によって86年の歴史に幕を下ろし、建て替えとなるのだそうです。

子どものころ、お出かけの帰りに訪れ、パフェをいただけるのがとても楽しみだったことを思い出します。閉店のニュースを知り、最終日の前に訪れました。私と同じように名残惜しむたくさんの人が行列を作り、店内を撮影したり、特別メニューを楽しんだり。この建物で最後の味を、思い思いに楽しんでいました。

不二家横浜センター店

私がその日いただいたのは、やっぱりパフェ。時代に合わせ、味は変化していると思うのですが、しっかりとしているけれど優しい甘さは変わらず。懐かしい気持ちで胸がいっぱいでした。

不二家横浜センター店

レーモンドの建物では一旦閉店になりましたが、現在は別の場所で仮店舗を開設し、営業しています。

■予約が取れない結婚式場

2.メルパルク横浜
山下公園前にあるホテル・結婚式場です。1980年に郵便貯金会館としてスタートし、郵政民営化とともに名称をメルパルクへ変更。なかなか予約が取れない結婚式場と言われていました。横浜港に面し、中華街も近いという最高の立地、その上公共施設のため価格も抑えられているので、人気となったのもうなずけます。

私は社会人になりたてのころ、この付近に勤務していました。職場から山下公園を見下ろすと、幸せそうな新郎新婦が記念撮影をされ、その後メルパルクへお入りになる姿を見て、心の中で「お幸せに」とあたたかな気持ちになったことを思い出します。

また、高校時代には学校主催のテーブルマナー教室がこのメルパルク横浜で開催され、うかがったことがあります。友人たちと緊張して着席し、本格的なお料理をちょっとかしこまった雰囲気でいただきました。スタッフの方がとても丁寧にマナーをご指導くださったことが忘れられません。

山下公園前の風景になじんだメルパルク横浜ですが、2023年末に閉館しました。

■素敵なイタリアンレストラン、実は「あのグループ」

3.chef's V
横浜ランドマークタワーの5Fにあったイタリアンレストラン。広々とした店内で、大きな窓からみなとみらいの風景を楽しめるカウンター席が大好きでした。

カウンター以外の席もゆとりがあり、落ち着いて食事が楽しめるので、友人との集まりで頻繁に利用していました。特に地方在住の友人たちはお店に入るなり「わあ!」と目を輝かせて喜んでくれるので、私にとって切り札的なレストランでした。

素敵なロケーションはもちろん、素材にもこだわりがあるレストランです。ジューシーなお肉とふんだんに使われているフレッシュな野菜が、一番おいしくなるよう調理されています。それだけでなく、体に優しい雑穀米が選べるので、健康面でも嬉しいお店でした。chef’s Vはモスバーガーのグループということで、質の良いメニューを提供できるのも納得。

気軽に利用できる価格帯で人気のお店でしたが、2024年1月で閉店となりました。

■惜しまれつつ閉店も再出発

4.川村屋
川村屋は創業明治33年という老舗のお蕎麦屋さん。創業当初は洋食店であったようですが、駅の移転など時代の変化に合わせ、お蕎麦屋さん一本での営業となったそうです。

(画像:公式サイトより)

私は20代のころ、初めて川村屋を訪れました。外食でお蕎麦をいただくことはめったになかったのですが、友人に「おいしいから一度行ってみようよ」と誘われたことがきっかけです。あっさりとしたお汁のおいしさ、とり肉もかすかに甘く、そして柔らかい食感にとても驚いたことを覚えています。

(画像:公式SNSより)

仕事で失敗してしまったときなど、一人になりたいとき、川村屋のお蕎麦はいつも温かくて。何度もなぐさめられました。創業から123年目に閉店することになり、横浜は騒然となりました。お店の方たちがご高齢になり、存続が難しくなってしまったことが理由でした。

惜しまれつつ閉店となりましたが、その半年後、ご主人のお嬢さまが跡を継ぎ、再出発することになりました。

■山下公園やベイブリッジ、開放的な窓際席

5.英一番館
英一番館は2025年3月に休館予定の、神奈川県民ホール6Fにあるレストラン。店名は江戸時代後期に建てられた商館ジャーディン・マセソン商会の呼び名から取ったのだそうです。

英一番館

(画像:公式サイトより)

クラシックな雰囲気の店内に入ると、大きな窓から解放的な風景が目に飛び込みます。窓際の席では山下公園やベイブリッジ、往来する船を望みつつ、食事やお茶の時間をのんびり過ごすことができます。

英一番館

(画像:公式サイトより)

お料理は昔ながらの洋食。洗練されたメニューの他にも、近隣の野球場へケータリングしていることにちなみ、「プレマッチランチ」という盛り合わせのメニューもあります。格式高い雰囲気でも遊び心を忘れない。そんな居心地のよさが長年愛される理由なのかもしれません。

英一番館

(画像:公式サイトより)

神奈川県民ホールは有名なアーティストのライブやコンサートだけでなく、市民の表現の場として幅広く利用されてきました。私も友人の発表会や、娘の絵画のギャラリー展示で訪れ、その時には英一番館でランチやお茶を楽しむことが習慣になっていました。ホール休館と同時に一旦閉店となりますが、また別の形でもよいので続けてくださるといいな、と思っています。

■まとめ

横浜エリアで最近閉店したお店5軒を思い出とともに振り返っていきました。

古くから多くの人々に愛されてきた横浜の街のこれからにも期待したいですね。

【プロフィール】
<hamaakari>
横浜生まれ、横浜育ち。横浜で半世紀暮らしている。若いころ在籍した職場が横浜市の建築物に携わる機関であったところから、歴史的建築物やまちづくりに関心を持つ。みなとみらい等代表的な観光スポットのみならず、横浜18区すべてを訪れ魅力的な場所を発見しSNSで紹介している。訪れた先で小さなカフェを見つけ訪れることも楽しみの一つ。

※情報は掲載時点のものです。内容は個人の感想です。

<取材・文・編集:GourmetBiz編集部>

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