吉野家で、実はひっそりとバズっているメニューがあるようです。
吉野家が牛丼に次ぐ「第二の柱へ育成」することをかかげている「唐揚げ」メニュー、じわじわと人気を伸ばしています。
(画像:時事)
■吉野家、「から揚げ」がこっそりバズってた!?
吉野家が昨年から力を入れている「唐揚げ」が、実はこっそりとバズっているようで、なぜか意識低めに「美味しい」とつぶやく吉野家ファンが楽しい盛り上がりを見せています。
吉野家の「から揚げ定食」
(画像は公式サイトより)
「から揚げ定食」
並盛 626円(税込688円)
大盛 726円(税込798円)
特盛 826円(税込908円)
店内調理にこだわった「唐揚げ」は、定食や「どんぶり」メニュー、「タルタル南蛮」や牛丼と組み合わせた「から牛」、牛皿と組み合わせた「W定食(牛皿・から揚げ定食)」などを展開しています。
【W定食(牛皿・から揚げ定食)】
(画像:吉野家公式サイト)
吉野家は牛丼の専門店であるため、「唐揚げ」については「サイドメニュー」のような認識を持つ人が多いようで、浸透には時間を要していた様子。
徐々にファンを獲得し、ネットでは「何度も言ってるけど美味い」「吉野家の唐揚げが一番美味いことはあまり知られていない」などの声があがり、宣伝活動に精を出すファンが増えてきています。
吉野家の唐揚げは、「店内調理にこだわり、吉野家特製のたれに漬け込んだ」もので、店内では揚げたてを食べることができます。
まず初見の人が驚くのはその大きさ。
「想像してたのより2倍でかい」「一個が大きいね」と、ボリュームに大満足の声もあがっています。
■「美味しい」のに自虐系の絶賛は吉野家ならでは!?
特徴的なのはザクザクとした衣で、「から揚げめっちゃザクザクで美味しくてすき」「ザクザク歯応えの良い衣と、中はぷりぷりジューシーでもう最高だった」「冷めても衣サクサクで美味しい」などの声が。
下味がしっかりとついており、「吉野家のから揚げは何も付けずに、そのまま食べるのが美味しい」「白米との相性がばっちり」など味の満足度も高そうです。
そして、吉野家ファンならではの感想として個性的なのが「自分の舌レベルにはこれが満足」「みんなでマジかってなった」「何度も言ってるけど美味い」「思っていた以上に美味しくて満足」「吉野家の唐揚げが一番美味いことはあまり知られていない」などの声。
期待値低めの状態で食し、思っていたよりも「美味しい」ことに感動して、ハマる人が多いことがうかがえます。
吉野家の唐揚げが「一番美味しい」と思う自分を誇りに思うのではなく、あくまで「自分にはこの程度がよい」という自虐でオチにしてしまうファンの声もまた、吉野家の「美味しいのに庶民的」という親しみやすいブランド力の成せる技なのかもしれません。
しかし、本格的な美味しさを語るは多く「吉野家のから揚げは外せない」「から揚げガチ勢のうちから言わせてもらうと、マジでめちゃくちゃ美味いから食べてほしい」と、「胃の破壊力がすごい」「まじ美味いな」「専門店に匹敵するうまさ」「安くはないけど美味いと思う」などの声があり、吉野家の唐揚げに対する努力が少しでも多くの人に伝わって欲しいと願う熱い声が溢れていました。
■発表当時はスルーされていた「唐揚げ」戦略、ついに認知度向上!?
吉野家を運営する株式会社吉野家ホールディングスは、2022年の決算発表で「から揚げを第2の柱へ育成」することを発表していました。
(画像:吉野家 2022年2月期第2四半期決算説明会資料)
吉野家は「牛丼とから揚げの店」と、進化を宣言。
これまで課題だった「調理時間の短縮化」を図るなど、「販売数拡大」を目指してきました。
2023年の決算発表では、唐揚げの販売構成比を「牛丼に次ぐ第2位」「目標 15%」を発表しています。
(画像は2024年2月期 第2四半期決算説明会資料)
この目論見は、目新しいわりにあまり注目されていませんでしたが、「美味しい」という最も正当な理由で注目されてきているのは企業の努力の賜物。
さらに、12月には女性客に人気の「韓国グルメ」を意識した「ヤンニョム味のから揚げ」を展開。
10%オフキャンペーンや、クリスマスチキンを意識した企画を行うなど、12月にから揚げのキャンペーンや新商品を集中的に展開することで「吉野家のから揚げ」の認知拡大を狙っています。
【ヤンニョムから揚げ丼】
(画像:吉野家公式サイト)
店内価格:並盛 596円(税込655円)、アタマの大盛 706円(税込776円)、大盛766円(税込842円)、特盛886円(税込974円)
テイクアウト価格:並盛 596円(税込643円)、アタマの大盛 706円(税込761円)、大盛 766円(税込826円)特盛 886
円(税込956円)
【ヤンニョムから揚げ定食】
(画像:吉野家公式サイト)
店内価格:並盛 726円(税込798円)、大盛 826円(税込908円)、特盛 926円(税込1,018円)
※ヤンニョムから揚げ丼はテイクアウトできますが、ヤンニョムから揚げ定食はテイクアウトできません。
吉野家公式サイトによると「肉厚のから揚げに、コチュジャンと醤油、にんにくを効かせた甘辛味」が特徴とのこと。
ネットでは、ヤンニョム味のから揚げについて、「めっちゃうまかった」「ピリっとしたタレが美味しかった」「吉野家でから揚げを初めて注文してみた」などの声があがり、見事に新規客の獲得に成功しているようです。
■吉野家「テイクアウト専門店の拡大」と「から揚げ」に親和性
吉野家は、2023年の決算発表で「テイクアウト専門店の拡大」を報告しており、「コロナ禍の生活様式変化」と「未出店地区への新規出店拡大」を背景に出店数を伸ばしてきました。
新規店舗だけでなく既存客においても、テイクアウトが増加しているようで、客層については「女性客50%」と発表があり、コロナ禍前の2019年と比較すると既存店テイクアウト比率は7.8Pもアップしています。
テイクアウト比率の向上と「から揚げ」はさらに相乗効果が狙えそうな相性の良さを感じさせますね。
今後、吉野家が「牛丼」の店というイメージだけではなく、「テイクアウトのから揚げ」のイメージが強くなっていく可能性もありえるのかもしれません。
今後の展開にも注目したいですね。
<取材・文・編集:GourmetBiz編集部>