だし巻き卵。極めようと思うと難しいイメージがありますよね。
しかし、今回紹介する【コツと隠し味】を入れればプロ級のだし巻き卵が作れちゃうんです!
上の写真(左側)のような黄金に輝く艶やかなだし巻き卵を家で作れたら嬉しいですよね!
この技術を教えてくれるのは、超料理人・岩野上幸生さん(愛称:こうせい校長)。こうせい校長曰く、今回のレシピ通りに作れば「レベルが違います」「だしが蒸発せずに卵の中に残っていて時間が経っていても最後までジューシー」なだし巻き卵が作れるそう。
今回はよくある失敗例を踏まえた上で、プロから学べるだし巻き卵の作り方を紹介します。
■卵の水分を閉じ込める秘密兵器はコレ!
話題になった動画はこちら。
まずは材料です。
「お麩」が必要ですのでご注意ください!
・卵 …………… 3個
・薄口醤油 …… 3g
・塩 …………… 1g
・みりん ……… 5g
・かつおだし … 3g
・お麩 ………… 5g
・水 …………… 50g
■心当たりある?よくある失敗例はこれ
だし巻き卵を作る上で火加減の調整や卵焼き器(巻き鍋)をどのように使うかはとても重要です。
同じ材料で作っても比べてみると、焼き加減が違うだけでその差は一目瞭然。左がプロの作るだし巻き卵、右が火が通りすぎただし巻き卵です。
最初は難しいかもしれませんが、コツを掴めば誰でも左側のようなだし巻き卵は作れます!
まずは失敗例を確認しながらだし巻き卵の作り方を紹介します。
【失敗例 1】
黄身と白身をしっかり混ぜず、卵液を少しずつ入れて焼くと、表面がデコボコに。
さらに一回一回卵液が完全に固まってから焼いているため、断面を見てみると……。
空洞ができています。こうすると食感もパサパサしてしまうんです。
【失敗例 2】
次は手の使い方が分からず、卵の形が崩れてしまうパターンです。
家庭で召し上がる際はそこまで気にしないかもしれませんが、綺麗に焼きたいときは後述する技を試すと劇的に見た目が変わるかもしれません。
【失敗例 3】
卵を焼く時に火力が強すぎると、表面が焦げて気泡ができやすいので注意が必要です。
水分が蒸発して食感もパサつきやすくなります。
【焼き方のシミュレーション】
卵を焼く時の手の使い方をイメージできるように、キッチンペーパーを卵に見立てて巻き鍋の上に乗せています。
こうせい校長曰く「慣れていないと手首を使って返しがちなんですけど、これだと卵が炒飯を返すみたいになる」ため、失敗しやすいとのこと。
安定して焼くために「腕や肩を使って遠心力を使って卵を持ちあげて」作ると成功しやすくなるそう。
遠心力を使って卵を立てて、巻き鍋を下したときに自然に卵が手前に倒れてくるイメージを持って作ってみてください。
■慣れればプロの味が家でも食べられちゃう!
それでは、作り方です。
【1. 卵をよく混ぜる】
ボウルに卵を割り入れます。
泡立てないように、ホイッパーをボウルの底につけながら黄身と白身が一体化するまでよく混ぜてください。
もし泡立たせて焼いてしまうと、熱膨張によって卵液がまばらに膨らみ、形が凸凹になって食感がごわごわしてしまいます。
【2. 調味料を入れる】
別のボウルに水、薄口醤油、塩、みりん、かつおだしを入れて混ぜたら【1】の卵液と合わせます。
【3. 漉す】
【2】をザルなどを使って漉します。
調味料の混ぜ残しがないか、黄身と白身がしっかり混ざっているかを確認してください。
【4. 隠し味を入れる】
今回入れる隠し味はなんと「お麩」。ミキサーで砕いて粉末状にします。
こうせい校長によると「お麩を使うことによって、だし巻き卵にだしをたくさん閉じ込めることができます」とのこと。
お麩はハンバーグにも使われることがあり「パン粉と比べて水分の吸収率が1.5倍~2倍ぐらい違う」ため、肉汁が逃げるのを防ぐことができるのだとか。お麩を使うと、ジューシーに仕上がるので覚えておきたいプロの技ですね。
粉末状にしたお麩を卵液に入れます。一気に混ぜるとお麩が宙に舞ってしまうので、お麩をホイッパーで卵液に沈めながら卵液とお麩を一体化させます。
【5. 焼く】
事前に油に浸したキッチンペーパーと焦げ付きにくいコーティング加工がされている巻き鍋、濡れ布巾を準備します。
満遍なく油を引いたら中火から弱火で巻き鍋を温めます。
余分な油を落としてから卵液を多めに入れてください。3~4回で卵液がなくなるぐらいの分量が目安です。
焼いている際に「気泡がたちすぎたら巻き鍋が温まりすぎている証拠なので、そのときはすぐに濡れ布巾の上に乗せて」冷ましてください。
卵は余熱で火が通るので表面が半熟の状態で巻いていきます。
遠心力を使って形を整えながら焼きます。こうせい校長曰く「卵焼きに比べてだし巻き卵はだしが入っている分水分が多くなって破れやすくなるので右手で巻くのではなく遠心力で巻くことが大切」とのことです。
1回目の卵液を焼き終えたら、巻き鍋の奥に卵を寄せて、残りの卵液を同じように巻いてください。
香ばしく仕上げたい場合は一番最後の卵液を焼く時だけ火を強めて焼き目をつけることによって「中身はジューシー、そして表面は香ばしく仕上げることができます」とのこと。
卵が温かいうちはある程度形を整えることができるので、巻き終えたら巻き鍋の上で形成します。
■そんな秘密があったとは……!?驚きの声続々
上記の方法で焼くと、断面はこの美しさに。
卵のジューシーさが伝わってきますね!
プロの技が光る今回のレシピに、ネット上では
「料理の真髄を学んだ気がする、同じ道具、同じ材料、同じ工程で作っても別物になるっていうのは本当に面白い」
「普段から作るけど、失敗したり成功したりなのですが、成功の原因も失敗の原因もわからなかったけど先生の動画で良く理解出来るので最近は失敗することが少なくなってきているのが凄く助かります」
「お麩を混ぜるのは思いつきませんでした!お店の品がプルプルでジューシーなのはそんな秘密があったんですね」
驚きの声や感謝する声が上がっています。
お麩を使って卵の旨味を閉じ込めるだし巻き卵のレシピ。シンプルな料理ですが、綺麗に焼けると一目で料理上手なのが分かりますよね。
今までだし巻き卵の味が決まらなかったり、パサつきに悩んだりしたことがある人は試す価値のあるレシピです。
こうせい校長も「ふわとろ具合がハンパない」という自信作なので、その感動を是非ご家庭でも味わってみてください。
■画像、レシピ提供:料理人・岩野上幸生さん(愛称:こうせい校長)
1985年8月28日生まれのこうせい校長は、18歳から名古屋で料理の修行をしたのち、24歳で独立。現在は都内で2店舗を経営。飲食店経営者として12年、料理人としては18年になるそうで、YouTubeチャンネル「飲食店独立学校 /こうせい校長 」も運営。「食を通して皆さんに楽しく役立つ動画」を発信しています。
【飲食店独立学校 /こうせい校長】
https://www.youtube.com/channel/UC_IE1NN9hk4eJbGbad-4LGg
身近なレシピや美味しくなるコツを公開した書籍『プロのコツでいつものごはんが100倍おいしくなるレシピ』も好評発売中です。
■こうせい校長が経営しているお店はこちら
「くいどころ酒場 活(かつ)」
東京都中野区野方5−28−7 彩燈ビル2F
「花小金井のわいんばーる BUGreen(バグリーン)」
東京都小平市花小金井南町1−19−27 JTKビル101
(編:GourmetBiz編集部)