株式会社プロテクティア(本社:大阪府茨木市、代表取締役社長:内田 国克、以下 プロテクティア)は、独自技術「CateProtect(R)(カテプロテクト)」の研究開発に取り組んできたが、この度、当該技術に基づくカテキン誘導体が、ノロ類縁ウイルスであるネコカリシウイルスを効果的に無力化することを見出したことを発表した。本研究に関する研究成果は、9月24日(水)~25日(木)に開催される日本防菌防黴学会 第41回年次大会で報告予定となっている。
1. 研究の背景
近年、新型インフルエンザをはじめ、様々な感染症伝播への対策が必要とされており、新たな機序によって広範なウイルスに直接作用する感染予防部材の開発が急務となっている。そこで、プロテクティアは、大阪大学産業科学研究所の開發 邦宏 特任准教授が研究してきた天然カテキン(EGCG)の誘導体に着目。大阪大学発の産学連携ベンチャーとして、その実用化技術『CateProtect』の研究開発に取り組んできた。
プロテクティア独自技術『CateProtect』は、天然カテキンの中で、最も抗ウイルス機能が高いEGCG(エピガロカテキンガレート)をベースに、EGCGを膜親和性にすることで、ウイルスや細菌の膜を捕えることを可能にする技術。これまで、『CateProtect』技術を応用した部材がインフルエンザウイルスや細菌に対して優れた効果を示すことを確認しているとのこと。
一方、ウイルス疾病の中でもノロウイルス感染症は毎年感染者数が多く、関心度の高いウイルス疾病の一つ。ノロウイルスはウイルス膜を持たない非膜ウイルスであるため、4級アンモニウム塩など既存の消毒成分による無力化効果は現れにくく、有効な対策法は限られている。プロテクティアは、膜ウイルスや細菌に対して優れた効果を示すカテキン誘導体を、非膜ウイルスであるノロウイルスの対策にも応用できないか考え、試験研究を進めてきた。
2. 研究の概要
研究開発の結果、カテキン誘導体がノロ試験用代替ウイルスであるネコカリシウイルスを最大99.9%以上無力化することが確認された。天然カテキン(EGCG)の抗ウイルス機能は一般に知られているが、タンパク質を含む汚れた環境ではその効果が劇的に低減してしまう。今回の研究にて、『CateProtect』技術を施したカテキン誘導体(EGCG-C18)は同環境においてもネコカリシウイルスを効果的に無力化することが実証された。従来のカテキンでは効果が現れにくい、嘔吐物や糞便などで汚れた環境下でも機能する、優れた消毒部材への応用が期待される。
また『CateProtect』の作用原理を解析した結果、カテキン誘導体がウイルス表面のカプシドタンパク質を捕らえていることが明らかになった。
研究成果をもとに、プロテクティアでは『CateProtect』技術を用いて、食中毒対策も可能とするカテキン由来の新しい感染症対策部材の開発を進めていくとのこと。
Fig.1 カテキン誘導体(EGCG-C18)と既存消毒成分のネコカリシウイルス無力化効果の比較
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Fig.2 EGCG-C18はウイルス表面タンパク質(カプシド)に結合する(電気泳動解析)
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Fig.3 ネコカリシウイルスの電子顕微鏡解析
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本研究に関する内容は、以下の学会で報告予定。
【「日本防菌防黴学会 第41回年次大会」発表概要】
開催日:2014年9月24日(水)、25日(木)(本発表:25日)
会場:きゅりあん(品川区立総合区民会館)
演題:エピガロカテキンガレート(EGCG)誘導体の非膜ウイルスに対する効果の検証
発表者:田中 伸幸(株式会社プロテクティア)
開發 邦宏(株式会社プロテクティア、大阪大学産業科学研究所)
URL:http://www.saaaj.jp/conference/
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