世界初のオンデマンド消費者予測サイト「Instant.ly」は、アメリカ全土に渡って消費者を抽出し、購買意欲を調査することによって、最も魅力的な製品にランク付けをおこなっている。
9月18日、「Instant.ly」は、8月におこなった、この秋の新製品に対する消費者の購買意欲の動向の調査結果を発表した。
元記事:http://www.instant.ly/blog/2014/09/instantly-shelf-score-august-2014-grocery-edition/
全体を通して言えることは、炭水化物が俄然人気だとしている。
炭水化物制限リストに載った食品群、パン、ピザ、ワッフル、キャンディがリストに登場。
また、景気の上昇が「フードキット」というトレンドにも見て取れる。
季候が良くなって食欲が増し、学校が始まるというスケジュールと、前月にもあらわれていた簡単な食事を志向する傾向が入り交じっている。
炭水化物を禁じる情報を求める人もそうでない人も、今月のラインナップは今後を予見するものだと報じている。
また、商品全体に秋風が吹いてきた。
秋にふさわしい、バナナ・メイプルや、キャンディ・アップルのフレーバーが新しく紹介されている。
人々の気持ちは海辺やビキニから離れて、涼しくなった午後をインドアで寄り添って過ごすために、心安らぐ食べ物、炭水化物を切望しはじめていると分析している。
Eggo Waffles Thick and Fluffy Blueberry Cobbler
(Eggoワッフル ふっくらふわふわブルーベリーパイ風味): 70%
今月のリストのトップに来るのは、ワッフル市場の最有力ブランドEggから登場した新しいフレーバー。
“thick and fluffy(ふっくら、ふわふわ)”という商標で、かつてお母さんが作っていた、できたての自家製ワッフルを連想させ、それに“Blueberry Cobbler(ブルーベリーパイ)”風味という高級感を組み合わせているおかげで、70%の回答者が「試してみたい」と答えている。
Eggoはまちがいなくこの期間限定フレーバーで勝者となるだろうとしている。
Pillsbury Parmesan & Basil Artisan Bread Mix:
(Pillsbury パルメザン&バジル 手作りパンミックス)70%
Pillsburyは健康と家庭料理に焦点を当てた市場を興味深い方法で牽引している。
アメリカでは、大手サンドイッチチェーン店のパンの中からプラスティック類似の化学物質が見つかったというニュースがあり、家でパンを作ることに人々の関心が集まっていることも影響したようだ。
このPillsburyから売り出されたパン・ミックスセットは、今月のランキング1位タイとなり、おそらくヒットするとみられている。
何もないところから始めて、40分もかからないうちに自家製パンが焼ける。
たった1箱でパン作りに必要なすべてが入っており、消費者ニーズに応えた、強力な商品となっている。
DiGiorno Design a Pizza Kit: Chicken, Green Peppers, Red Onions with Pepperoni
(DiGiornoのピザ・キット チキン、ピーマン、レッドオニオン、ペパロニ): 69%
アメリカでも、宅配ピザは高くつくイメージのようだ。
冷凍ピザは、健康に悪いように思えたり、「ダンボールを噛んでいるような味がする」という声もある。
このピザキットは、すべてが含まれているので、安上がり。
家族は、材料がわかっているので、健康面で安心だし、夕食を子供たちの「ピザ作り」というイベントにできるという点でも人気のようだ。
69%の回答者がこの商品に期待している。
Stonyfield Petite Creme: Strawberry
(Stonyfield Petite Creme ストロベリー): 68%
Stonyfieldはヨーグルトで知られたブランドで、そのPetite Cremeシリーズは、口いっぱいにひろがるクリーミーで絹のような味わいと、女性に向けた「カロリーひかえめ」というメッセージによって、急成長を遂げてきた。
Petite Cremeシリーズは、ギリシャヨーグルトが好きだが、ちょっと濃厚すぎるし苦みがある、と感じる人に好評となっている。
実はこれは、甘いフレッシュチーズなのである。チーズ培養菌から作ったヨーグルトもどきなのである。
このシリーズのフレーバーは、いたってシンプル。プレーン、バニラ、そしてフルーツである。
このヨーグルトが低脂肪・高タンパクであることを強調しているが、消費者からは、何か甘いものがほしくなったときに、クリーミーでなめらかなヨーグルトがぴったりだという声が多いという。
ストロベリーが特に人気のようで、これを支持する68%の回答に現れている。
Kellogg’s FiberPlus Antioxidant Bar ALA Omega 3 Chocolate Trail Mix:
(Kellogg ファイバープラス抗酸化バー ALA Omega 3 チョコレート・トレイル・ミックス)
67%
現在、アメリカでは、「オメガ3脂肪酸」に注目が集まっている。オメガ3トレイル・ミックスフレーバーは67%の回答者が支持する、ヒットしそうな商品である。
Kelloggのファイバープラス・シリーズは、朝食用のヘルシーバーのオプション、という位置づけで、健康のために便利さを犠牲にする必要はない、と謳う。
このシリーズのほかのフレーバーには、カルシウムとタンパク質を添加したものがある。
オメガ3に焦点を当てたものとしては初めての製品なので、カルシウムシリーズが3つ、タンパク質シリーズが2つ増えたことも合わせ、今後需要が伸びそうな商品となっている。
Popchips: Hint of Olive Oil Veggie Chips
(Popchips オリーブオイル・野菜チップス): 65%
Popchipsは、塩分の補充とサクサクした食感、しかもカロリーひかえめという、ダイエッターにとってのお気に入りブランド。
その最新フレーバーであるオリーブオイル・野菜チップスが65%の回答者の注目を集めた。
Popchipsの野菜チップスの新製品は、健康にアピールし、シンプルで洗練されたフレーバーを保っている。
ビーツ、オニオン、ヒマワリの種、白インゲン豆のような原材料が加えられていて、もっと野菜を取らなければ、と考えている人々の注意を惹くのである。菜食主義者にアピールするように、グルテンを含まず、コレステロールがなく、防腐剤も入っていないことは、ヒットする要因だ。
期待通りの味ならば、幅広い購買層に訴えるだろうし、長期的なヒットとなるかもしれない。
Pepsi Made with Real Sugar
(ペプシ リアルシュガー): 61%
ソーダの消費量は下降している。その最大の要因は、消費者が自分が何を飲んでいるか、よくわからないことにある。
ダイエット甘味料と合成化学物質に対する懸念は、今日、健康志向の高まる消費者を、ソーダ飲料から遠ざけてきた。
ペプシはこのトレンドをとらえ、「本物の砂糖」を目玉に据えてきたのだ。
同社は、アメリカで近年、熱狂的に受け入れられているメキシカン・コーク(※コカ・コーラ社がメキシコで販売しているコーラ:アメリカのコーラが高加糖コーンシロップを使用しているのに対し、メキシコ製はショ糖を使用しているので自然の風味がする、と人気が高い)にも影響を受けている。
消費者の60%以上が「本物の砂糖」を使ったペプシを飲んでみたいと答えており、「リアルシュガー」ソーダは消費者に訴えると予測する。
M&Ms Candy Apple
(M&Msチョコレート キャンディ・アップル味): 60%
9月下旬、アメリカでは新学期が始まり、小売店はハロウィン用のお菓子をすでに仕入れている。
今年、M&Msは新しいフレーバーを導入した。秋らしい味覚のキャンディ・アップルである。
60%の回答者が、期間限定のフレーバーを試してみたいと答えたが、おそらくはシナモンかキャラメル風味の甘酸っぱいリンゴの味を想像しているのだろう。
こうした期間限定のフレーバーは、好奇心を刺激されて購買意欲をそそるが、M&Msは毎年、目新しい味を作りだし続けていくことに成功している。
Chobani Oats: Banana Maple
(Chobaniヨーグルト オーツ、バナナ・メイプル): 58%
ギリシャヨーグルトの王者、Chobaniが最新作を出してきた。オーツ麦とバナナ・メイプルフレーバーを組み合わせたのだ。
ギリシャヨーグルトを朝食にふさわしく仕上げたもので、オーツ麦とメイプルを追加することで、秋らしくなっている。
ヨーグルトだけではおなかいっぱいにならない、もう少しほしい、と不満を感じている消費者にとって、これは願ってもないものとなるだろう。
タンパク質10g、全粒粉8g、オートミールと同じくらいの食物繊維が含まれていて、栄養価が高い。
クランベリー、アップル・シナモン、ブルーベリーのフレーバーもあって、Chobaniの斬新なブレンドを、オートミールを食べたい人が魅力を感じるだろうか。
58%の回答者が購入してみたいと答えている。
Lunchables Breakfast: Waffle and Bacon Dippers
(Lunchables Breakfast ベーコンディップワッフル)
: 52%
Lunchables Breakfastシリーズの新製品、ベーコンディップワッフル。
Lunchablesは、子供にホームメイドピザとクラッカーのパックを持たせて学校へやる親にとって、簡易ランチ市場で根強い人気のあるブランドとなっている。
Lunchablesは数多くの商品を開発しており、現在はオプションで飲み物かスムージーをつけられる、「ランチパック」を販売している。
だが、「ベーコンディップワッフル」に期待している人は52%しかいない。
これには2つ、要因があると思われる。
第一に、保護者は、昼食には便利であることを求めるかもしれないが、子供にはもっと健康的な、そうでなければ手作りの朝食を与えたいと思っているのだろう、ということ。
第二に、冷たいワッフルとベーコンでは、出来立ての熱々で食べたいと感じる人が多いだろうという予想だ。
※すべての商標は、各々の所有者の商標または商標登録です。