近畿大学(大阪府東大阪市)は、大阪梅田と東京銀座にある養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」において、世界で初めて開発した「うなぎ味のナマズ」を使用したスペシャルランチメニューを試験販売することを発表した。
販売日は2015年7月24日(金)の「土用の丑の日」とし、各店舗先着30食限定で提供する。
【試験販売のポイント】
●資源の枯渇が危惧されるうなぎの需要に応える「うなぎ味のナマズ」を世界で初めて開発。
●各店先着30食限定の試験販売を行い、結果を研究に生かすことでさらなる高品質化を目指す。
●マナマズを普及させ、将来的にはニホンウナギの半額以下の価格帯での提供を目指す。
【試験販売の概要】
■日時:平成27年(2015年)7月24日(金) 大阪店11:00~/銀座店11:30~
※当日先着30食限定。なくなり次第終了。
■場所:
[近畿大学水産研究所 大阪店]
大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪北館ナレッジキャピタル6F
[近畿大学水産研究所 銀座店]
東京都中央区銀座6丁目2番先 東京高速道路山下ビル2階
■メニュー:「うなぎ味のナマズ御重」2,200円(税込)
※ランチのみ提供。
※銀座店にて提供している「花かご御膳」「季節会席」にはナマズは含まない。
※試験販売メニューの予約は不可。
【試験販売の背景】
同大学農学部水産学科の水産経済学研究室では、平成21年(2009年)から6年ものあいだ、「うなぎ味のナマズ」の開発を目指して研究を続けてきた。
「うなぎ味のナマズ」とは、日本産マナマズの成魚養殖の技術を体系化することで食味をうなぎの味に近付けたものである。日本産マナマズは種苗生産技術が確立されているため完全養殖が可能で、うなぎのような資源的問題がない。ただし、これまでにも郷土食として限定的な地域でマナマズ養殖が行われてきたが、食味がやや泥くさく脂質をほとんど有していないため、ウナギの味とは程遠いであった。
今回、同研究室の研究により、天然マナマズのなかでも産地によって脂質を多く含み、泥臭さが少ない個体があることが判明。さらに食味の調整には「餌のコントロール」と「水質のコントロール」の2点が重要であることを特定し、その方法を開発した。
【ウナギ類の供給について】
うなぎは日本人の食文化に欠かせない食材だが、ここ数年は養殖うなぎの原料となる天然稚魚の漁獲量が激減し、供給量が需要に追いついていないという問題がある。平成26年(2014年)には国際自然保護連合(IUCN)がニホンウナギを「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」に指定し、レッドリストに掲載された。
完全養殖の技術が確立されているマナマズがウナギに代わることができれば、一般消費者の需要を満たすことが可能となる。同研究室では、マナマズを普及させ、将来的にはニホンウナギの半分以下の価格で提供することを目指して研究を続けていくとしている。