株式会社oricon MEは、若者とビールの関わりについて実態を調べるべく、20~30代の男女600名にアンケートを実施し、調査結果を発表した。
また、専門家を交えて今後のビール市場の予想も行っている。
アルコール飲料において、常にトレンドの中心にあるのがビールである。昨年は、酒造元がこだわりの味を追求したクラフトビールがヒットするなど、話題を独占した。
その熱も冷めやまぬうちに、新たに今年、急激に人気を集めているのが新しいスタイルであるフレーバービール(※)である。
フレーバービールは、製造過程で果物やハーブなどの風味や香りを付け足しており、苦みを抑えた爽やかな飲み口が特徴的。
大手メーカーでも、キリンビールが昨年11月にセブン&アイ・ホールディングスと共同開発したり、ローソンと北海道麦酒醸造が共同開発して販売。さらに、今年の3月には、サントリーがすっきり甘いレモン風味のビアスタイル「サントリー ラドラー」を商品化し、若年層を中心にすでに多くの愛飲者を獲得するなど、人気に注目が集まっている。
実は、この新しいスタイルであるフレーバービール人気の背景には、若者のビール離れがある。
ビールやコンビニのトレンドに詳しい流通評論家兼公認会計士・眞山徳人氏は、「フレーバービールは、若者が苦手としている味わいを、飲みやすく気軽に飲めるように設計したことで、若者層を取り込みヒットにつながっている」と分析している。
(※)フレーバービールとは:ビール類に果実の香りや味わいをつけた発泡酒等。
【調査結果と傾向】
1) 「とりあえずビール」は半数。残り半数は違う飲料を頼む傾向に。
ビール派の理由は「のどごしが良い」「爽快感がある」、一方で飲まない理由は「味が好きではない」「苦い」が過半数以上。
2)甘くて飲みやすいお酒を求める傾向に。
理想とするビールは「苦くない・甘い・フルーティ」という結果に。
3)4人に1人がすでに「フレーバービール」引用経験あり。
おいしそうだと思うフレーバー1位は「レモン」で、ドイツ生まれのレモン風味のビールテイスト「ラドラー」の人気に拍車がかかるとみられる。
4)“苦味を楽しむ”から“さまざまな味を楽しむ”へ
同アンケートからは、ビールを気軽に楽しむ新スタイルが若者のトレンドになりつつあることがうかがえる。
専門家・眞山徳人氏は「飲みやすい味で、若年層を取り込んだビールの新しいスタイル『フレーバービール』」と述べている。
5)国内の人気フレーバービール銘柄
世界のビール博物館 溝田俊英氏は、「以前から注目を集めていた『ラドラー』や、海外銘柄の果実系フレーバービールが人気」であると述べている。
【調査概要】
◆調査名:「お酒に関する意識調査」
◆調査期間:2015年5月1日(金)~5月8日(金)
◆調査地域:全国
◆調査対象:20〜30代 男女 計600サンプル(20代/30代男性、20代/30代女性、各150サンプル)
◆調査方法:インターネット調査
◆調査機関:オリコン・モニターリサーチ
◆調査企画:株式会社oricon ME
© oricon ME inc.