「ミシュラン」横浜・川崎・湘南版の選出店をラーメン王・山本剛志さんが解説。選出から外れた意外な店も。

投稿日:2015/05/20 18:37 更新日:

「ミシュランガイド横浜・川崎・湘南2015特別版」が2015年5月19日に発表となり、今回もビブグルマンにラーメン店が掲載された。
ビブグルマンは79店舗、うちラーメン店は4店舗選出。
今回ビブグルマンに選出されたラーメン店について、TVチャンピオン第6回ラーメン王でラーメン評論家の山本剛志さんに解説していただいた。

▼「ミシュランガイド横浜・川崎・湘南2015特別版」ビブグルマン選出4店舗
Shinachiku亭(しなちくてい) 横浜市
鶏喰(とりっく) 横浜市
懐や(ふところや) 川崎市
錦太朗(めんたろう) 湘南(横須賀市)

まず、全体の評価として、「ミシュラン東京版」が出版された時、私はラーメン店の選出が、いわゆる「淡麗系ラーメン」主体になっていると指摘した。今回、「横浜・川崎・湘南2015特別版」で選出された4軒もまさにその流れである。4軒のうち3軒は開店2~3年の若手で、横浜市から2軒、川崎市から1軒、湘南(横須賀市)から1軒と、地域バランスを考慮した選考も感じる。

選出された4店舗はいずれもラーメンフリークの間で話題を集めていて、「懐や@鷺沼」は、「神奈川淡麗系」の人気店「中村屋@海老名」の流れを汲みつつ、独自の工夫が光る店。あっさりしたスープは油に頼らずとも力強く、啜り甲斐のある麺は細麺と平麺から選べる。炙ったチャーシューとスープが奏であわせた香りも見事。

「懐や@鷺沼」
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「鶏喰(とりっく)@吉野町」は、店名を「トリック」と読ませ奇をてらっているが、味は正統派。濁らせないスープの中に、鶏のじんわりした旨みを丁寧に折り重ねている。麺の茹で加減も固すぎず、スープと滑らかに調和している。一工夫されたサイドメニューや、丁寧な接客も印象に残るものとなっている。

「鶏喰@吉野町」味玉醤油ラーメン
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また、今回選出には至らなかったが、選出されてもおかしくなかったと感じる店舗をいくつか挙げたい。

「流星軒@吉野町」や「G麺7@上大岡」は、この流れなら当然に掲載されると思っていた。「支那そばや@戸塚」や「もりや@本郷台」も掲載されてもおかしくない。ミシュランは豚骨中心のラーメンを掲載しづらい傾向があるようだが、家系ラーメン総本山「吉村家@横浜」も世界に発信して欲しかったと思う。

山本剛志さんプロフィール

TVチャンピオン第6回ラーメン王。ラーメン評論家。1969年東京都生まれ、千葉県出身、東京都江戸川区在住。2000年放送の「TVチャンピオンラーメン王選手権」で優勝。15年間で全国47都道府県の9500軒、13600杯を食破。現在も年に700杯前後のラーメンを食べている。ブロマガで公開している本気のラーメン情報チャンネル「ラーマガ」共同責任編集者。
ラーマガ:http://ch.nicovideo.jp/ramen-magazine

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