日本コカ・コーラ株式会社は、昨冬の、一般的にホット飲料がよく飲まれる時期に、全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、自動販売機において、ホット専用PETボトル入り無糖茶飲料の中で最も売れたのは、“急須でいれた緑茶の味わい”を目指す「綾鷹」だったことを発表した。
■年間を通じて販売好調!“にごり”のあるPETボトル入り緑茶のパイオニア「綾鷹」
「綾鷹」が好調なのは、冬季だけではない。“にごり”のあるPETボトル入り緑茶として誕生した「綾鷹」は、2007年10月の発売以来、64ヶ月連続成長(2014年9月末日時点)を続けており、ふくよかな旨み、甘み、渋みのバランスのとれた味わいが特長。また、今夏導入された「綾鷹」ブランド第二の柱となる、苦みや渋みを抑えた、甘みとすっきり後味が特長のまろやかな味わいの「綾鷹 まろやか仕立て」の販売も好調に推移している。
・“にごり市場”のパイオニア「綾鷹」の軌跡
PETボトル入り緑茶の登場以来、製品の安定性を考慮して“にごり”を取り除いた透明な液色の製品が製造されてきたが、新たに「急須でいれたような本物の味わいの緑茶飲料」の開発に着手した日本コカ・コーラ社の緑茶飲料の研究開発部門は、緑茶が本来もつ”にごり”に着目し、”にごり”にこそ緑茶本来のおいしさがある、”にごり”をなんとかPETボトル入り緑茶で再現できないか、と考えた。開発の過程では、”にごり”のバリエーションなど、実に100を超える試作品が開発され、本物の緑茶の味わいを目指して、度重なる改良が行われた。数ヶ月間にわたる試飲会を経て、プロジェクトメンバー全員が納得する味わいが完成したのも束の間、当時は従来の清涼飲料水の製造において、”にごり”のある製品を商業ラインで安定的に製造するのは、前代未聞のことだった。
そんな中でも、「急須でいれたような本格的な味わいの緑茶を作りたい」という共通の想いをもつプロジェクトメンバーは日夜解決策を模索し続け、全国の製造工場の協力を得ながら検証を重ね、一つ一つ課題をクリアしていき、結果として製品化にこぎつけることができた。
・このような数々の難関を乗り越え、2007年10月に誕生したのが「綾鷹」
発売後、2010年には、消費者に製品名を伏せて「綾鷹」と他のPETボトル入り緑茶4製品を飲み比べて頂き、どれが“急須でいれたような味わいのお茶”に一番近いか選んでもらう味覚調査を実施した。翌2011年以降は、「日本全国綾鷹試験」と銘打ち、日本をよく知る和の専門家100名を対象に同様の味覚調査を実施した。2013年には、”急須への挑戦”として「日本全国綾鷹試験」を進化させ、引き続き和の専門家100名を対象に、「綾鷹」と急須でいれた緑茶を複数飲んでもらい、それぞれに対して“急須でいれた緑茶”かどうかを回答してもらうコミュニケーションを展開した。この頃から、他社からも「綾鷹」の大きな特長の一つである“急須でいれた緑茶”を実現した“にごり”に着目し、“にごり”を取り入れた商品が次々に投入された。
“にごり”のあるPETボトル入り緑茶のパイオニアであり、“急須でいれた緑茶の味わい”を目指す「綾鷹」は、後発ブランドでありながらも、緑茶市場を活性化させる存在となった。なお、2013年4月以降、PETボトル入り無糖茶飲料単体としては、サントリー「伊右衛門抹茶入り緑茶」を抜き、伊藤園「お~いお茶緑茶」に次ぐ、第2位のポジションを獲得している。
(*)“昨年の冬”は、2013年11月~2014年3月を指す。スーパーマーケット、GM等、自動販売機を含む全てのチャネルでのホット専用飲料の売上合計が対象。ホット専用PETボトル入り無糖茶飲料には、缶等コールド・ホット兼用飲料は含まない
■「綾鷹」ブランド概要
「綾鷹」は、創業450年の歴史を持つ宇治の老舗茶舗、上林春松本店の協力を得て誕生した。上林春松本店は豊臣秀吉や徳川家康ともゆかりが深く、宇治の茶師として、宇治ひいては日本のお茶文化を支えてきた由緒ある老舗茶舗。「綾鷹」は、その「上林春松本店」の茶師としての伝統と技術にもとづき開発された。「綾鷹」のにごりのある急須でいれたような味わいには、①上林春松本店の伝統の技である「合組(ごうぐみ、茶葉を組み合わせる技術)」、②綾鷹独自のにごりの製法、③原材料として使用する茶葉の味わいと品質を上林春松本店とコカ・コーラ社で最終確認する“茶葉認定式”という3つの茶師の技によって実現されている。
■ブランド名「綾鷹」
ブランド名である「綾鷹」は、将軍家などのお茶の御用を務めていた「上林春松本家」の第十一代上林春松が、江戸後期に初めて一般大衆に向けて販売した当時の新製品(後の玉露の一種)の銘を由来としている。「綾鷹」とは、貴重で上質な茶葉を「織り込んだ」という意味の「綾」と、古くから「高貴な茶葉」という意味を持つ「鷹」を組み合せ、厳選された茶葉を丹念に仕上げた緑茶であることを意味している。
■「上林春松本店(かんばやししゅんしょうほんてん)」
「上林春松本店」は、上林春松により永禄年間に創業された450年の歴史を持つ、宇治の老舗茶舗。足利将軍家の支援により宇治茶の名声が流布した14世紀後半頃から宇治茶の生産に携わり、現在に至るまで14代にわたり時代と共に日本のお茶の文化を担ってきた。室町時代は有力茶師「御茶師」として栄え、茶の湯の文化が大成した戦国時代以降も豊臣家や徳川家などから重用された。江戸時代には御茶師の中で最高の位である「御物茶師(ごもつちゃし)」として幕府や諸国大名の庇護を受けてきた。幕府が消滅した明治維新以降、廃業の危機を迎える茶舗が多かった中、上林春松家はそれまで将軍や大名など一部の層の楽しみとされていた「抹茶」による茶の湯文化にとらわれず、新しいお茶づくりに挑戦し、新たなお茶文化を築いた。
現在は、宇治御茶師の末裔として、室町時代より培われた経験とその伝統の精神を受け継ぎつつ、革新的に発想し、積極的に取り入れ、その時代にあった新しい価値を提供し続けている。
(上林春松本店ホームページ http://www.shunsho.co.jp)
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